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産業廃棄物収集運搬許可マニュフェスト

マニュフェスト

 マニフェスト(manifest)とは、「積荷目録」や「乗客名簿」を意味する英語です。正式名称は「産業廃棄物管理票」といいます。

マニフェストは、「収集運搬」や「中間処理」といった産業廃棄物処理の各プロセスごとに、産業廃棄物を処理した記録を残すための伝票です。

マニフェストの発行義務は、産業廃棄物の排出事業者にあります。発行を怠った場合は、刑事罰の適用対象となる場合があります。排出事業者は、産業廃棄物の引渡しと一緒にマニフェストを交付しなければなりません。

マニフェストは、排出事業者(委託者)と処理業者(受託者)の双方が、それぞれ産業廃棄物の処理記録として、5年間保存しておかねばなりません。

マニフェストに記録する内容は、以下のようなものです。

  1.  「誰が」・・・マニフェストを流通させる関係者
    (委託者、収集運搬業者、中間処理業者、最終処分業者など)
  2.  「何を」・・・マニフェストの対象となる産業廃棄物の特定
    (産業廃棄物の種類、数量、荷姿など)
  3.  「どのように」・・・産業廃棄物の処理方法
    (産業廃棄物の処理方法や、最終処分の場所など)
  4.  「いつ」・・・いつ処理したのか
    (マニフェストの発行日、運搬終了日、処分終了日、最終処分終了日)

マニフェストはなぜ必要か

 マニュフェストは、産業廃棄物の処理を委託するときに、排出事業者が発行するべきものとされています。排出事業者ではなく、産業廃棄物処理業者が、サービスでマニュフェストの内容を記入代行しているケースも多いと思われますが、本来は排出事業者の責任で発行するべき書類ですので、排出事業者自身で記入、発行するようにしましょう。

万が一、産業廃棄物処理業者が悪意無くマニュフェストの記入を間違い、そのことで不適正処理が起こった場合には、廃棄物処理法の原則に従い、排出事業者の責任が追及されることになります。「委託先の業者が勝手に書き勝手に書き間違えたのだ」という言い訳は、どこにも通用しません。

 マニュフェストは、今この瞬間に、委託した産業廃棄物が、産業廃棄物の「引渡し」「収集運搬」「中間処理」「最終処分」などのどの工程にあえるのかを、委託者と受託者が相互に情報共有するためのシステムです。

 マニュフェストを運用しない限り、産業廃棄物の行方は誰にもわからなくなります。そのため2010年の廃棄物処理法改正により、「処理業者は、マニュフェストが発行されていない産業廃棄物の処理を引き受けてはならない」と法律改正が行われ、排出事業者のマニュフェスト発行責任がさらに徹底されていくことになりました。

 マニュフェストを使用する目的は、「廃棄物処理の当事者を確定させる」ことと「廃棄物の処理日を確定させる」ことの2つになります。マニュフェストは、自社を守るための武器を日々作り上げるつもりで、運用することがポイントです。

マニュフェストは、産業廃棄物の種類ごとに交付

 一度に複数の産業廃棄物の回収を同時に依頼する場合は、仮に中間処理先が一緒だったとしても、2通のマニュフェストを交付する必要があります。しかし、使用済みOA機器のように「廃プラスチック類」「金属くず」「ガラスくず」の3種類が混在した状態で発生する産業廃棄物の場合は、1通のマニュフェスト上に、該当する3種類の産業廃棄物の種類をマークするだけで十分です。

実務上の判断基準としては、使用済みOA機器のように、短い時間の間に、手作業でそれぞれの産業廃棄物の種類を分別するのが困難、あるいは不可能なものは、複数の産業廃棄物の混合物として、1通のマニュフェスト。ポリバケツや木製パレットなどのように、分別不可能な状態ではなく、量もそれほど多くは発生していない場合は、法律の原則どおり、産業廃棄物の種類ごとに1通ずつマニュフェストを交付、という基準で判断するのが安全です。

運搬先が複数ある場合は、それぞれの運搬先ごとにマニュフェストを交付

 マニュフェストには、産業廃棄物の運搬先を1つしか書くことができません。たとえば、廃プラスチック類の処理委託をする際に、「A中間処理業者」と「B中間処理業者」の両方を同じマニュフェストに記載することは不可能です。しかし、原則1を無視して、運搬先が異なる産業廃棄物を1通のマニュフェストでまとめて委託してしまった場合は、一度の不注意で、2つのミスを引き起こすことになりますので、まずは2つの原則をしっかりと確認しておきましょう。

逆に、一度に3台の運搬車両ですべて同じ運搬先に運ぶ場合は、マニュフェストは3通ではなく、1通の交付のみで足ります。「同じタイミング」で、「同じ種類の産業廃棄物」を、「同じ中間処理業者のところで処理」する以上、何台の運搬車両で運ぼうとも、マニュフェストは1通のみで十分となります。

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