長崎NPO法人設立センター

NPOとは、どんな組織か

公益性が重視される組織である

 NPOは、日本語で特定非営利活動法人と言いますが、その活動は、様々な社会貢献活動を行い、団体の構成員に対して、収益を分配することを目的としない点に特徴があります

 株式会社などの営利企業の場合には、自社の利益を上げることを目的として活動しますが、NPO法人の活動は、利益を上げることをおもな目的として活動することはできません。

 ただし、主な活動目的としていない場合には、収益を目的とする事業を行うこと自体が認められています。この場合、事業で得た収益は、様々な社会貢献活動に充てられます。

 一般的に、法人は株式会社や合同会社などの営利法人と学校法人や宗教法人、医療法人などの非営利法人に分かれますが、NPOは非営利法人に含まれます。

 このように、NPOは、特定非営利活動促進法に基づいて法人格を取得した法人ですが、法人格の有無にかかわらず、福祉や教育、文化、地域のまちづくり、環境、国際協力といった様々な分野で、社会のニーズに応えられるような活動をすることが期待されます。



ボランティアやNGOとは違う

 NPOの活動は、広く人々のためにも行うものですが、一般的なボランティアというわけではありません。一般的にボランティアには無償で活動するといったイメージがありますが、NPO法人が活動を続けていくために従業員を雇用することも認められています

 したがって、NPOのスタッフになった人は無償で活動しなければならない、というわけではありません。

 また、NPOと間違われる活動にNGOというものがあります。NGOは、政府が行うような活動を行っている非政府組織のことです。一般的には国際的な活動を行う場合にNGOという名称が使われます。


業種が限定されている

 NPO法人の活動は、20分野に限られています。もともと17分野でしたが、法律の改正により、活動内容の追加が行われ、平成24年4月からは20分野となりました

 法人格を取得しないでNPO活動を行っている場合には、特にこの分野に限られませんが、NPO法人として活動をする場合には、その他の業種を行うことはできないので注意が必要です。

 ただし、20分野のうちの1つしか活動できないわけではなく、複数の分野にまたがって活動することは可能です。また、活動の対象については、不特定多数のために行うのが原則となります。つまり、活動する業種は限定されていますが、サービスの提供などを行う場合には、その対象者を限定してはいけない。



株式会社とはどこが違うか

 株式会社は自社の収益を上げることを目的として活動している営利団体ですが、NPO法人は、公益のために活動する団体です。したがって、活動の結果、得た利益について株式会社は株主などに配分することができますが、NPOの場合には、正会員などの構成員に配分することはできません。利益は事業に投じなければならないのです。

 また、構成員についても相違点があります。NPOの場合には10人以上の社員が必要ですが、株式会社の場合には、1人以上の株主がいれば設立することができます。

 役員についてもNPOは3人以上の理事と1人以上の監事を置かなければなりません。株式会社の場合には、1人以上の取締役を設置すればよく、監査役の設置については任意となっております。

 なお、法人を設立する際には、株式会社の場合には25万円程度の費用がかかりますが、NPOの場合には費用はかかりません。課税対象となる事業については、NPO法人の場合には収益事業のみ課税されるのに対して、株式会社の場合には全事業に対して課税されます。



設立費用も資本金もかからない

NPOは、株式会社などと異なって、資本金なしに設立することができます。

 また、設立する際の費用もかかりません。前述したように営利目的の株式会社を設立する際には、陶器の手数料などがかかりますが、NPO法人の場合には、登記の手数料などがかかりますが、NPO法人の場合には、登記の手数料もかからないのです。

 また、所轄庁に対して認証申請をする必要がありますが、その申請手数料もかかりません

 このように、NPOは、資金的な面から考えると、誰でも資金の負担なく設立することができる法人だと言えます。



認可するのは都道府県知事か政令指定都市の長

 NPOを設立するには、まず設立者である発起人が集まって設立発起人会を開催して、定款など重要書類のたたき台を作ります。そのたたき台をもとに、法人設立の意思決定を行い、定款について決議をするために設立総会を開催します。

 その後、法人設立の認証を受けるために必要な書類を作成し、所轄庁に提出します。

 NPOの事務所を1つの都道府県内に置く場合、その法人の事務所の所在地を管轄する都道府県で申請手続きを行います。ただし、さいたま市や札幌市など、地方自治法の政令指定都市に該当する場合には申請先は政令指定都市となります。

 一方、設立時に複数の都道府県に支部を設ける場合には、各都道府県で申請手続きを行います。

 所轄庁の審査を経て認証されると、今度は設立登記の申請を所轄の法務局に出向いて行います。登記を済ませ、所轄庁に登記が完了したことを届け出てはじめて、設立時の一連の手続きは終了となります。



NPOは全国に4万法人以上ある

  内閣府の統計によると、NPOは、全国で4万5280件、認証されています(平成24年4月1日~平成24年4月30日現在)。

 このうち、都道府県が認証したNPO法人は3万5515件、指定都市が認証したものは9765件とされています。

 一方、解散したNPOも多く、全国で5528件あります。せっかく複雑な認証と登記の手続きを経て法人を設立しても、解散してしまうケースも少なくないのです。したがって、設立時には熱意だけでなく、持続的に活動を続けられるようなしくみを整える必要があります。


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