長崎NPO法人設立センター

NPO法人の資金調達について

設立したら運営費がかかる

 NPOを一から立ち上げる場合には、最低でも一年間の管理に伴う経費は確保しておく必要があります。資金が回り、早々に収益が得られるようになればじきに運営費もまかなえるようになります。

 しかし当然、活動をはじめる前にすべてがうまくいく保証などありませんから、必要になる金額をなるべく正確に把握して厳しく見積もることです。

 しかし、実績のないNPO法人に資金を提供してくれることは望めません。特に実績のないNPO法人の場合には、社会起業や事業の趣旨をよく理解してくれている人たちに依頼する他なく、まとまった資金の借入は期待できません。

 実際には、中心のメンバーが起業する団体へ貸し付ける形になりますが、自ら資金を提供する気持ちがなければ、他人からの寄附など期待できないことを理解しましょう。



ボランティアやNGOとは違う

 NPO法人の活動は、広く人々のためにも行うものですが、一般的なボランティアというわけではありません。一般的にボランティアには無償で活動するといったイメージがありますが、NPO法人が活動を続けていくために従業員を雇用することも認められています

 したがって、NPO法人のスタッフになった人は無償で活動しなければならない、というわけではありません。

 また、NPOと間違われる活動にNGOというものがあります。NGOは、政府が行うような活動を行っている非政府組織のことです。一般的には国際的な活動を行う場合にNGOという名称が使われます。


資金集めをするために必要なマネジメント能力

 設立して間もないNPOは、経験豊富なNPOに比べると、どうしても、マネジメント能力が不足していることを認識して対策を立てるようにしましょう

 もちろん経験を積むことも大事ですが、実際にはそれでは現実に追いつきません。たとえば団塊の世代など、すでに企業を退職している経験者から人材を確保することも有効な手段です。

 このようにしてマネジメントの能力がある人材を確保した上で、組織としても取り組むべきことがあります。それは事業に参加しているすべての人が事業の収支に関心を持ち、コスト意識を持つことです。組織の運営者1人が収支を気にしていても、経費の節約などの変化は望めません。

 そのためには事業ごとに会計を行い、事業の収支を明確にすることでコスト意識が身につき、事業体としての能力も向上します。



事業収支が基本になる

 NPOなどの法人を設立・運営する際には、資金が欠かせません。まず、事務所を借りるための敷金や月々の家賃、職員の給与や社会保険料、水道光熱費、事務所消耗品代、税金など、一般の企業と同じように経費がかかります。さらに、何らかの事業活動を展開しようと思えば、そのための備品や人件費、場所代といった事業経費が必要になります。

 これらの必要経費を捻出するためには、何らかの形で継続して収入を得なければなりません。その手段の中心になるのはやはり事業を行うことによって得られる収益ということになるでしょう。

 このように言うと、「NPO法人という非営利の団体であり、事業収入を得るのはおかしいのではないか」と違和感を感じる人もいるかもしれません。しかし、NPO法人を運営・維持していくのに事業収益を使うのであれば、その目的はあくまで社会貢献であるということになります。



会費を徴収する必要もある

 事業収入の他に、確実に収入を得る方法としては、会員を慕って会費を徴収するということがあります。一定数の会員を確保することができれば、収入予測も立てやすく、安定して事業を行うことができます

 この方法をとる場合には、やみくもに新規の会員を募るだけではなく、既存の会員に長く登録を継続してもらえるような説得力を持つことが必要になります。

 「会員として応援したい」と思ってもらえるような魅力ある事業を展開することはもちろんですが、活動報告や徴収した会費をどうように使ったかという会計報告などを定期的にしっかり行うことが重要になります。



寄付や補助金・助成金について

 立ちあげて間もない事業の資金調達を考えるときに、寄附によって十分な資金が調達できるとは考えない方がよいでしょう

 また、企業からの協賛金などをもらうことは、企業利益が認められない限り難しいといえます。事業活動をしながら積極的に社会問題についてアピールし、また自分たちでそれを解決する方法を有していることを理解してもらうことで、しだいに集まる寄附の額も大きくなっていくでしょう。

 なお、助成金や補助金には、国や地方公共団体が主催する公的なものから民間団体までさまざまなものがあります。これらの助成金や補助金を受けたい場合には、常日頃から助成をしてもらえる団体の情報を確認することが必要になります。


↑このページのはじめに戻る